一般財団法人日本情報経済社会推進協会

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3.電気事業

通商産業省告示第二百八十六号
情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)第三条の二第一項の規定に基づき、電気事業における電子計算機の連携利用に関する指針を定めたので、次のとおり告示する。
昭和六十二年七月十五日
通商産業大臣臨時代理
国務大臣 中曾根康弘

電気事業における電子計算機の連携利用に関する指針

我が国電気事業は、昭和三十年代という早い時期から、それぞれの電気事業者において、電力設備の管理の高度化及び料金計算等各種業務の効率化を目指した総合的な情報処理システムの開発及び導入に取り組んできた。その成果は、需要家の多様なニーズに即応し得る効率的供給体制となって、我が国電気事業の発展に大きく寄与したところである。
このような積極的な情報化への取組みを通じて、電気事業者は情報化に関して我が国産業界の中でも特に高いポテンシャルを蓄えてきた。系統保護システム、給電運用システム、発変電所集中制御システム等の電力供給の安定化、効率化等を図る電力保安用情報処理システムについては、世界的に見ても完成度の高いシステムとなっている。また、電力系統解析等の大規模な技術計算、電気料金の自動振替、工事・資材代金等の振込等に伴う金融機関との膨大な情報交換等、経営の効率化、需要家サービスの向上等を図るための業務用情報処理についても、電気事業者は技術的にも人材の面でも高い能力を有するに至っている。これに加え、電力保安・給電用の自営通信ネットワークについても早くからその構築を進め、現在、大規模なネットワークと質の高い技術要員を擁している。
その結果、電力業界に対して、情報・通信の両面に渡る高いポテンシャルを、我が国産業の情報化及び地域の情報高度化を推進する上で活用することへの期待が高まっている。
しかし、最近の企業間連携を核とした産業の情報化、ネットワーク化の方向に応じた電力業界の一層の情報高度化並びに地域及び電力関連業界の情報高度化への貢献のためには、電気事業者間、電気事業者と関係会社間、電気事業者と需要家間等のネットワーク化、その前提となるビジネスプロトコルの標準化並びに業界内での情報収集・調査分析業務の迅速化・効率化のための電力業界共同データベースの形成といった課題がある。
今後、これらの課題を克服しつつ、電気事業者間等で連携した電子計算機の効率的かつ高度な利用を実現することは、電気事業全体の一層の高度化のための基盤を提供するものであるとともに、ひいては、我が国経済の発展及び国民生活の向上にも資するものである。
この指針は、以上の認識に基づき、電力関連業界における電子計算機の一層の効率的利用を図るため、電子計算機利用高度化計画を勘案し、事業者が連携して行う電子計算機の利用の態様、その実施の方法及びその実施に当たって配慮すべき事項を示すものである。

一 事業者が連携して行う電子計算機の利用の態様

(一)帳票、データ交換フォーマット、そこに記載される項目コード等のビジネスプロトコルを標準化し、これを用いた「帳票交換方式」、「磁気媒体(磁気テープ等)交換方式」又は「企業間オンライン方式」による電気事業者間、電気事業者と関係会社間及び電気事業者と電力関連業界間における業務用情報処理システム
(二)情報の体系的な収集、整備及び管理並びにその共同利用のため、各電気事業者が緊密な連携をとりつつ構築する電力業界共同のデータベースシステム

二 実施の方法

(一)企業間ネットワークの構築

電気事業者と関係会社間では、資材調達、請負工事等の業務量が多く、情報のやりとりも比較的まとまって存在しているため、業務上関係の深い会社を中心としたコンピュータネットワークを構築するよう努めること。また、電気事業者間及び電気事業者と電力関連業界間についても、電気事業全体の高度化等のため、将来の発展を考慮に入れてネットワークの拡大に努めること。

(二)ビジネスプロトコルの標準化

電気事業者と電力関連業界間等の帳票類、コード及びデータ交換フォーマット等のビジネスプロトコルについては、電力関連業界からのニーズに応えるとともに地域の情報化の円滑な推進に資するためにも、中長期的観点に立ってビジネスプロトコルの標準化の有効性につき電気事業者間及び電気事業者と電力関連業界間等での合意形成を図り、現行処理との整合性に配慮しつつ、ビジネスプロトコルの標準化を図ること。

(三)電力業界共同データベースの形成

電力業界共同データベースの構築・運用の形態において、収集・提供すべき情報の種類、対外提供の在り方等の基本的事項について、合意形成を図ること。

(四)実施体制の整備

以上の各項を実施するため、電力業界として実施体制を整備し、その効率的促進に努めること。

三 実施に当たって配慮すべき事項

(一)中小企業への配慮

電気事業を取り巻く業界は、大規模事業者から小規模事業者まで様々な規模の事業者から構成されており、各事業者が有する電子計算機システム、資金的能力、人的能力等にはかなりの差異がある。したがって、企業間ネットワークの構築・運用等に際して、中小規模の事業者に過大な負担を与えることのないよう十分配慮すること。

(二)セキュリティの確保

企業間システム及びデータベースシステムのオンライン化等により、システムダウン・不正介入等の危険にさらされる可能性及びその影響の及ぶ範囲が増大する可能性がある。これらに対処するため、安全性、信頼性の高い電子計算機システムを設置する等セキュリティの確保を図ること。

(三)プライバシーの保護

電力業界共同データベース運用の際、情報の外部提供については、提供の範囲、方法等について明確な基準を設ける等、プライバシーの保護に十分配慮すること。

(四)通信プロトコルの標準化

企業間ネットワークの構築に当たっては、ビジネスプロトコルの標準化に加え、その基盤となる通信プロトコルについてもOSI(開放型システム間相互接続)導入の動きを踏まえた形での統一・標準化に努めること。

(五)通信基盤の効率的整備

社内用情報高度化の一環であるデジタル統合通信ネットワークの構築に当たっては、企業間ネットワーク及び電力業界共同データベースの効率的構築・運用、対外サービスの高度化等情報処理の高度化に配慮しつつ取り組むこと。

(六)情報処理資産の活用による対外サービスの展開

情報化の推進に当たっては、地域の情報化の促進への貢献、業務用のネットワークの経済性の向上等の観点から、業務用の企業間ネットワークやその他の情報処理資産の活用により、一般企業をも対象とした情報サービスの提供等対外サービスの向上に努めること。

(七)需要家サービスの高度化

情報化の推進に当たっては、種々の需要家広報、自動検針及び関連制御、会社窓口におけるサービス等需要家サービスの高度化に資するよう努めること。

(八)ソフトウェアの開発の効率化

電力系統解析等大規模な技術計算や電力需要想定を始めとするシミュレーション等電気事業共通のシステムについては、ソフトウェアの流通・共同開発等効率化に努めること。

(九)技術開発

企業間ネットワーク及び電力業界共同データベースの構築等の情報処理の高度化を進めるに当たっては、必要な関連技術の開発を合理的かつ効率的に行うよう努めること。