一般財団法人日本情報経済社会推進協会

ナビゲーションをスキップ

EN

お問い合わせ

2010.05.10

書籍の頒布

リスク社会で勝ち抜くためのリスクマネジメント

-JRMS2010- 

発刊にあたって

JRMS2010

 現在ではあらゆる組織をとりまく経営環境がこれまでの常識を超えるスピードで変化しています。組織のICT依存度が著しく高まるとともに、グローバリゼーションに伴うサプライチェーンの相互依存関係の高まり・人口減少による市場の縮小(購買力の減少)・地球規模における環境問題等により社会環境には従来の判断能力を根本的に揺り動かすような変化が生じてきました。

 JIPDECでは、このような環境変化が組織にもたらすリスクのインパクトの大きさに鑑みて、リスク対応のための理論的・実践的なシステム開発に取り組んできました。
 その成果として、リスクマネジメントチェック・評価システム「JRMS2010(Japan Risk Management verification System2010)」を開発し、ツールと書籍で構成される「リスク社会で勝ち抜くためのリスクマネジメント-JRMS2010-」を公刊する運びとなりました。

 JRMS2010は、ISO/IEC 31000:2009 リスクマネジメント規格の精神を取り入れ、「経営」をベースに、昨今の企業不祥事にも対応するために「内部統制」を加味し、さらに現代社会においてリスクマネジメントが不可欠といえる組織を視野に入れ、「情報システム」、「情報セキュリティ」、「個人情報保護」、「事業継続」、「環境」、「医療」のリスク領域に関する質問項目と回答・分析ツールを収録したCD-ROMとJRMS2010の紹介、質問項目・ツールの構成、分析例、質問項目一覧をまとめた書籍で構成されています。
 
 現在の組織をめぐる経営環境において、さまざまなリスクに対応できる枠組みを視野に入れて構成されているJRMS2010は、現代社会の要請に応えうる成果であると確信しております。ぜひ、JRMS2010を組織のリスクマネジメント実践にお役立て下さい。

JRMSの対象リスク領域

 JRMS2010で提供するリスク対象領域は、現代社会において組織にとり重視すべきリスクマネジメントの実践的な適用を考慮し、全体を3部構成としています。
【1.組織経営編】
 組織における要となる「経営」をベースにおいています。さらに近年、種々の組織において発生した不祥事への対応を考慮し、「内部統制」を加味しています。

【2.個別リスク対応編 パート1】
 情報社会に鑑みて「情報システム」、「情報セキュリティ」を取り上げ、さらに現在の組織運営にとり不可欠とされる領域に踏み込み、「個人情報保護」、「事業継続」、「環境」、「医療」を取り上げています。

【3.個別リスク対応 パート2】
 「内部統制」、「IT全般統制」、「情報システム」、「情報セキュリティ」、「医療」について、重要ではあるが、【2.JRMS2010と個別リスク対応編 パート1】で触れるには詳細すぎると思われる質問項目を設定しています。

 また、質問項目は、3つの版(アドバンス版、ベースライン版、クイックスタート版)を設定し、リスクマネジメントに初めて取り組む組織から、すでに実践している組織まで、組織の実態に合わせて版の選択が可能となっています。

質問構成・項目数

リスク領域 アドバンス版 ベースライン版 クイックスタート版
組織経営編 1.1 経営 149 62 35
1.2 内部統制 112 53 27
個別リスク対応編 パート1 2.1 情報システム 340 210 124
2.2 情報セキュリティ 276 156 60
2.3 個人情報保護 206 101 74
2.4 事業継続 123 118 58
2.5 環境 309 237 156
2.6 医療 206 83 41
パート2 3.1 内部統制 199 100 40
3.2 IT全般統制 80 54 26
3.3 情報システム 294 202 139
3.4 情報セキュリティ 1,322 - -
3.5 医療 266 255 85

JRMSツールについて

(1)JRMSツール
 JRMSツールは組織にJRMS2010を効率よく、効果的に導入するためのソフトウェアです。

(2)利用メリット、導入効果
 JRMSツールを使ってJRMS2010を組織に導入することにより、組織のリスクマネジメントの現状、課題を把握することができます。もしも関係部門・回答者間で認識ギャップがあれば、その原因を究明することにより、現状認識の共有が可能になり、必要に応じて改善の方向を見いだすことができます。

(3)想定利用者
 ①組織のリスクマネジメントの現状を認識する必要がある人
 ②組織のリスクマネジメントの実践から改善すべき課題を把握したい人
 ③組織のリスクマネジメントを分析するコンサルタント
 ④JRMS2010を利用して、リスクマネジメントを学びたい人

(4)利用イメージ
 JRMSツールは、J-inputとJ-analyzeで構成されています。
 J-inputは、複数の部門および複数の回答者からリスクマネジメントの現状(回答評価結果、以下、「回答データ」という。)を抽出するためのソフトウェア、J-analyzeは回答データを分析するためのソフトウェアです。
 まず、回答者は、J-inputが提示するリスクマネジメントに関する質問に対して回答し(①)、回答データをファイルに保存します(②)。
 次に、リスクマネジメント担当者は、J-analyzeを使い、レーダーチャートなどを出力し、回答データを分析します(③)。

利用イメージ

利用イメージ

(5)JRMSツールの特長
 ①組織に合わせた回答部門・回答者の登録が可能
 ②回答しやすい入力画面
 ③ヘルプ機能として質問の解説・用語説明を表示
 ④重視する評価項目の重み設定が可能
 ⑤部門間・部門内・経年別のレーダーチャート表示により、わかりやすく、さまざまな角度からの
分析・評価が可能
 ⑥回答一覧を示した集計表により、回答者間のギャップの把握が可能
 
以下、画面イメージを紹介します。

回答入力画面 (J-input)

回答入力画面 (J-input)

レーダーチャート表示画面(J-analyze)

レーダーチャート表示画面(J-analyze)

集計表表示画面(J-analyze)

集計表表示画面(J-analyze)

書籍について

タイトル:リスク社会で勝ち抜くためのリスクマネジメント-JRMS2010-
発行: JIPDEC
仕様: B5判 223頁
発行日: 2010年5月10日 第1版発行


■目次
はじめに
1.JRMS2010
 1.1 JRMSの登場
 1.2 JRMSとは
 1.3 JRMS2010の特徴
2.JRMS2010の質問構成
 2.1 JRMS2010の質問構成の特徴
 2.2 「1.組織経営編」
 2.3 「2.個別リスク対応編 パート1」
 2.4 「3.個別リスク対応編 パート2」
JRMSツール
 3.1 JRMSツールの基礎知識
 3.2 JRMSツールの利用
分析例
 4.1 分析・評価結果の見方
 4.2 分析・評価例
JRMS2010質問票
 5.1 質問票の構成
 5.2 リスク領域別 質問票
付録